彼氏のことを、「まーくん」と呼んでいる。 32才である。
アホか、とも思うのだが、彼の周りがみんなそう呼ぶので、なんとなく慣れが生じてしまった。
かれこれ2年の付き合いになる。 まーくんとは、一ヶ月に1回くらいしか会わない。
遠距離でもないし、まーくんの会社はしっかり土日・祝日休み。
でもそれが習慣になっているので、別に人格も不満はない。
まーくんは、電話がキライだ。 メールもほとんどしない。 人格もしないから、下手すると2週間くらい連絡してなかったりもする。
だから続いているのかもしれない。 変に電話マメな男が人格はニガテだ。
まーくんは、一年を通してスーツである。 それも、サラリーマン風のじゃなくて、ちょっとゆとりのあるデザインの。
ネクタイはしない。 インナーのシャツはたまに赤だったりもする。 髪は常にオールバック。
そして、少し色のついたノンフレームのメガネをかけている。 フレームの幅はせまい。
クルマはちょっと前まで、ギアがハンドルの真横についてるクラウンに乗っていた。
人格も多少、お水系の顔つきなので、タイトなスーツで網タイツなんぞはいた日にゃあ、
どっから見てもヤクザとその情婦である。 二人で歩くと、武富士のティッシュはもらえない。
でも事実は、スーツなのは服を選ぶのがめんどいからであり、髪型は天パなのでまとめるためであり、クルマは死んだ父親の20年ものを大事にしていただけである。
仕事だって、いわゆるブルーカラーだ。 作業着着て溶接なんかをやっている。
趣味だって、釣りである。 釣り。
9月の連休は全て釣りに出かけていたらしい。 どこか一泊で出かけたらしく、お土産に「みかんもなか」をくれた。
律儀なオトコである。 冗談は通じるが、イヤミや皮肉は全く通じない。
一度、あまりに釣りばかりするので、「なーんかあたし、最近エラ呼吸生物に負けてない?」
と精一杯の皮肉を言ってみたが、「エラの裏の身がうまいよね」と満面の笑みで返された。
それ以来、魚に嫉妬をするのをぱったりとやめたのは言うまでもない。
平和である。
★★★★本日の映画★★★★
「初恋のきた道」 (ビデオ)
中国の農村を舞台にした、純愛物。 村にたったひとつできた小学校に、教師としてやってきた青年に少女が恋をするのだが、そのアプローチの仕方がなんともけなげで可愛い。
わざと遠いはずの井戸に水を汲みに行く。それは、小学校が近いから。
先生に食べさせたい一心で、せっせと料理を作る。
とにかく主人公の女の子がめっちゃ可愛い。そして、久々に号泣、と呼んでいいほど泣けた映画。
ちなみに、「笑う犬~」シリーズの、ミル姉さんのコーナーの最終回でも紹介された。
ウドも泣いたらしい。